「落合博満氏の講演」より

2022.05.27
    


5月~6月は「総会シーズン」。当社が加盟する不動産系各団体の総会や、それら協会に付随する政治連盟の総会やイベントもこの時期に集中しています。

今日も午後から、(公社)全日本不動産協会 ならびに(公社)不動産保証協会の『中部・北陸地区協議会』の「定時役員総会」と「懇親会」に出かける予定となっています。

そんなこんなで、ブログを記す時間・タイミングを逸してしまい、通常なら“中3日”のペースで投稿しているこのブログが、今回は“中5日”となってしまいました。(^^;

その分、今日はシッカリ記そうと思います。


5月23日(日)、パレスホテル東京に於いて開催された全国賃貸管理ビジネス協会の「2022年度定期総会」および「全管協シンポジウム2022」に出席して参りました。

その際に基調講演の講師として登壇されたのは、元プロ野球選手・監督で現在は野球解説者として活躍されている落合博満さん。


同氏は、中日ドラゴンズ監督在任8年間を通じ、ずっと「Aクラス」入りを果たし、4度の「リーグ優勝」、1997年には53年ぶり「日本一」、2011年には球団史上初となる「2年連続のリーグ優勝」と輝かしい結果を残されました。

その頃のドラゴンズと言えば、平均年齢の高さはリーグ1で、チーム打率は常に下位、勝利の条件が揃っているとはとても言えないようなチームでした。そんなチームを「常勝軍団」へと変貌させた名監督です。


秋田工業高校時代に不登校で3分の1くらい学校を休んだという話から始まり、東洋大学を半年で辞めたこと、そんな中で東芝府中に野球をやるために就職したのではないのに、結果的にやる羽目になったこと。

その後、ロッテ球団からドラフト指名(3位)されるのですが、入団後の自主トレ時にコーチから「この子は、プロでは通用しない」と言われたこと。

コーチから指導を受けたことによってボールが飛ばなくなり、そのコーチに対し「指導をするのをやめてください」と言い放ったこと。

それによる冷遇、そんな中でチャンスを掴んでいったこと。

その後、選手としての華々しい活躍。

そして引退後に監督要請されたときのエピソードや監督時代に実践していたこと等々、、、

講演の中で語られたこれら全てのことが“野球ファン”の私にとってはとても興味深いものでありました。


中でも、監督就任から上記のような輝かしい結果を残すまでのプロセスや考え方(指導方法)などは「会社経営」にも大いに参考となるものでありました。

今日はそうしたお話の中から、個人的に印象に残ったところを箇条書き調で記していきます。


監督要請があった際、奥様が応援してくれるスタンスだったので引き受けた。

大きな仕事は、「家族の応援があってこそ出来るものである。


監督就任後、自らが招聘したコーチ陣との「大きな3つの約束」

1)暴力禁止

※当時の中日ドラゴンズは鉄拳制裁が当たり前の状況だったが、これを固く禁じた。

2)本社や球団の方を向いて仕事をするのではなく、選手の方を向いて仕事をしてくれ!

3)選手とメシを食うな!

※特定の選手と野球以外で時間を共にすることは “派閥” を作ることになる。


落合監督は、8年間の在任中、多くのコーチを交代させていますが、その原因は全て「これらの約束に背いたから」だったそうです。


また、「選手指導」の面においては、

選手をただ見とけ!教えるな!! と伝えたようです。


★ 講演中、聴講者に次のような質問を投げかけられました。

「1+1=2」 ですよね。 

 では、「2=」 は何ですか?


答えは、「1+1」は勿論、「0.5+1.5」というのもある。

要は、いろいろな方法があるということ。


つまり、

選手には「自分で考える力」を身につけさせるべきである。。

いろんな方法があるんだから、選手は自分で考えてやってみろ!ということです。

だから、「選手指導」においてコーチは最初から答えを教えるべきではない。

選手が壁にぶち当たったのを見ていれば、アドバイスもし易くなるというメリットもある。

選手が助け舟を求めて来たら、(必ず来るから)その時に助ければいい。

そんなスタンスで臨んだとのことです。


勝つためには、各担当部署に「責任を持たせる」ことが大事

監督は、各担当コーチ(ピッチング・バッテイング・トレーニング等)に仕事を任せたのだから、そこに口を出さないようにすべきである。


しかし、叱るときには、シッカリ叱ることが重要。

※落合監督は、年に数回、激しい雷を落としていたようですが、その際は、まずはコーチから。その後に選手に対して叱っていたようです。

要は、役職上位者から叱るべきだということです。


④ 練習は嘘をつかない

※監督就任時、中日球団からは1年目から「優勝」を求められた。

それに応えるキーワードは、「練習は嘘をつかない」ということ。

当時、落合ドラゴンズはシーズン前キャンプでも「6勤1休」を取り入れ、練習量は“12球団1”だと言われていました。


※スポーツ界でよく使われる言葉に「心・技・体」の充実というものがあります。

大切な順に、心(精神力)・技(技術)・体(体力)というのだと思いますが、落合さんは 「体・技・心」 の順であるべきだと主張されました。

まずは「体力」からで、体力が付いたら「技術練習」、技術を会得したら、その選手は精神的に悩むこともなくなる・・・ ということ。

アマチュアとは異なり結果が出なかったらすぐに首を切らせる“プロの世界”ですから、確かにそうかも知れません。聞いていて、納得です。


以上、私が講演内容を再確認し、それを脳裏に焼き付けるという意味合いも込めて記させて頂きました。



なお、本日のアイキャッチ画像は、落合博満さんの著書『決断=実行』(ダイヤモンド社)の表紙から取らせてもらいました。