マニュアル作成プロジェクト

2011.04.25
    

当社が掲げる今期の目標の一つに 『組織運営マニュアルの制定』 というものがあります。
当社では、組織内における明確な運営ルールなるものが存在しておらず、各支店が独自のルールに基づいて店舗運営をしている、もっと言えば、スタッフ個人個人がそれぞれの基準のもとに仕事をしているといった状況が多分に見受けられます。 (恥ずかしながら、それが現実。 私の指導力の無さを露呈しているようなものです・・・)
これでは、人事異動を発令した際に当事者は困惑をすることでしょうし、組織活動自体が一貫性を欠いた非効率的なものとなってしまいます。
 
そこで必要となってくるのが、「統一的な行動基準」 いわば “マニュアル” であります。
当社では、昨年の12月に 「マニュアル作成プロジェクト委員会」 なるものを立ち上げました。
まずは、賃貸仲介部門においてのマニュアルを作成しようということであります。
大きく分類すると、 1)接客編 2)業務編 3)広告編 4)店長業務編 5)マネージャー業務編 6)新入社員研修編  の6つの項目であります。
 
プロジェクトの立ち上げはしましたが、賃貸仲介部については、1~3月期は “繁忙期” と呼ばれる時期でもありますので、この間は休止と致しました。
ですから、今日が実質的なスタートのようなものであります・・・。
今日は、朝9時から約3時間、私の自宅に賃貸仲介部4店長と本社企画情報室所属の社員ら(私を含め9名)が集い、各店舗での 「問題点の洗い出し」 を行ないました。 今日で全てが出尽くしたとは到底思えませんが、本日課題として上がった事柄を念頭に置きながら、今後は月に一度のペースで会合を持ち、10~11月頃を目途に 「マニュアル」 として仕上げていくような予定となっています。
 
このプロジェクトを進めていく上で、また、マニュアルが完成した後もそうですが、メンバー各人に頭に留めておいて欲しいことがあります。
それは、マニュアルとは、あくまで組織運営上の 「最低限度の教科書」 にしか過ぎず、それを守っていれば誰でも、いつでも70点ぐらいは取れるという合格ラインの目安でしかないということです。
 
ワタミグループ創業者で元会長の渡邉美樹氏がその著書 『強く、生きる。』(サンマーク出版) の中で用いておられる言葉を借りて記させて頂くならば、「マニュアルを作成し、それをただ守っていればいいというわけでは決してない」のです。
サービスの本質をなす 「やさしさ」 や 「思いやりの心」 というものは、マニュアルを忠実に守った程度の行動からは決して生まれてこないのだということを忘れないようにしなければなりません。
逆に、マニュアルを守っていれば合格点が貰えるという安心感が、サービスの本質を阻害する要因ともなる危険性もはらんでいるというわけです。
 
肝心なのは、マニュアルを制定し、それを早く覚えるということではなくて、そのマニュアルが制定された “理由” や “目的” を理解すること。
「なぜ、そうするのか・・・?」 を常に考えることによって、問題意識は深まりながら持続し、応用力も生まれてくる。その結果として、働く人一人ひとりが仕事の主人公にもなることができるのです。
まずは、知恵を絞ってマニュアルを制定、そして、そのマニュアルに従いながら、”マニュアルを超えるサービス” を提供していくことを目標にしていかねばなりません・・・。