忘己利他(もうこりた)

2022.03.17
    


定休日だった昨日、家族4人(妻・次女・母、そして私)で比叡山延暦寺へ観光(参拝)に行ってきました。 私が延暦寺を訪れるのは、これが二度目。 前回は、息子が保育園か、もしくは小学校に入学したての頃だった気がしますので、今から22年~24年くらい前でしょうか・・・。いずれにしても、次女が生まれる前のことです。


延暦寺といえば、天台宗の“総本山”であり、標高848mの比叡山全域を境内とする壮大な寺院。“ユネスコ世界文化遺産”にも登録されています。

これは、次女が家族の代表としてついた「開運の鐘」です。


天台宗の開祖は、伝教大師(でんぎょうだいし)こと、最澄(さいちょう)。

その最澄の教えとして代表的な言葉に、『照于一隅』(せんういちぐう) と 『忘己利他』(もうこりた) というものがあります。

『照于一隅』は、以前このブログの中でも取り上げさせて頂きました『一隅を照らす』のこと。「私たち一人一人が自分のいる場所で、光(光る存在)となって周りを照らしていく。それこそが私たちの本来の役目であり、その積み重なりによって世の中がつくられる」といった意味です。


そして、一方の『忘己利他』(己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり)、実はコレ、当社の“基本精神”として据えている考え方でもあるんです。

今日の本題は、この『忘己利他』についてです。


私たち人間は、どうしても自分を防御するメカニズムを働かせてしまいます。

常に“自分の立場”で、思考し、行動しています。

それは、自分を忘れることができないからに他なりません。

自分を忘れられなければ、相手の立場に立って見ることや、相手の良さを見ることなどできません。 そこで、この『忘己利他』という考え方が大事になってくるのです。


最澄の本来の教えとは幾分違うのかもしれませんが、ここでいう「忘己」(もうこ)とは、自分を“忘れる”という意味ではなく、“後にする”という意味である・・・、当社スタッフにはそう説いています。

私たちに当てはめると「自分のことより、お客様のことを先に考える」、「自分のことより、同僚や会社や家族のことを先に考える」ということです。


人(個人・法人)は、自分の利益を第一に考えているうちは“本物”にはなれません。

自分のことは後にして、まず人に喜んでいただくことをするのです。

我欲が先にたつような考え方からは、幸せは決して生まれません。

私は、この『忘己利他』という考え方を実践することが、相手先を幸せにするのは勿論のこと、結果的に自分自身をも幸せに導くことになると堅く信じています。



本日のアイキャッチ画像として用いましたのは、昨日いただいた「御朱印」です。

比叡山は大きく三塔の地域に分けられており、それらを総称して『比叡山延暦寺』というのですが、昨日訪れたのは、その中でもメインとされる東塔地域。総本堂の「根本中堂」をはじめ、「大講堂」や「法華総持院東塔」など重要な堂塔が集まっている地域です。

左側が「根本中堂」、右側が「大講堂」の御朱印です。


あ、そうそう。

国宝「根本中堂」では現在、“大改修”(2016~2026年)が行われており、3階部分には「修学ステージ」なるものが設置されており、そこから回廊の屋根を見下ろしたり、改修の現場も見学してきました。


下の写真は、延暦寺会館(宿坊)で注文した「守り本尊 梵字ラテ」と“一隅を照らす運動キャラクター”の「しょうぐうさん」の縫いぐるみです。可愛いですよね・・・。