情けは人のためならず

2012.02.27
    

「情けは人のためならず」・・・・。
この言葉の意味を間違って認識している人は意外と多いものです。
 
この言葉の意味するところは、「情けをかけることは、その人(相手)のためにならない。だから情けをかけてはいけない」ということではなく、「人に情けをかけることは、人(相手)のためではなく、まわりまわって自分のためである」ということであります。
 
ですから、「情けをかける」ということについては、心のどこかに常に置いておかねばなりません。
 
しかし、多くの人々は「自分が情けをかけたこと」はよく覚えていますが、「情けをかけられたこと」は意外とすぐに忘れてしまうものでもあります。
 
したがって、人にかけた情けが自分に返ってくる確率は相当低いものとなりますが、少なからず恩を感じ、いつかそれを返してくれる人は必ず存在するものです。
 
そもそも相手に心の底から感謝をされる親切というものは、無意識のうちに行なわれたもの・・・。
無意識のうちに行なった親切であるがゆえに、相手の心に響くのでありましょう。
 
あの齋藤一人さん(累積納税額日本一の大商人)も、「人に情けをかけることの重要性」、「義理人情の大切さ」を説いておられます。
一人さんが率いる「銀座まるかん」の商品名に”GN”という文字がついているものがあるのだそうですが、この”GN”は、「義理」・「人情」の頭文字なんだそうです。 
 
私たちは、よく「あの人は良い人だ」とか、「悪い人だ」とか言いますが、その判断の基準になっているのが『自分に対し、情けをかけてくれたかどうか』ではないでしょうか?
そうした観点からすると、『人に情けをかける』ということは、人生を歩んでいく中で人間相互の”絆”を深める重要な要素だと言って間違いありません。
 
昨今、特に若い人たちの多くは「義理人情」なんて”古臭い”と感じているかもしれませんが、決してそうではないのです。
言葉自体は古臭いように感じても、ほとんどの人の心は「義理人情」によって揺れ動いているということを忘れてはなりません。 
   
※写真は、2月4日付の記事で触れさせて頂いた「甚目寺観音」の”三重塔”。あま市(旧甚目寺町)のシンボルともいえるものです。この三重塔は日本で有数の古さを誇る建造物。法隆寺や四天王寺に次いで古いもので、その荘厳な雰囲気に感銘を受けずにはいられないほどです。なお、本文とは何の関連もありません・・・。