憂いが人物を作る

2010.01.05
    

盛和塾の稲盛和夫塾長(京セラ名誉会長)の講話の中において、「安岡正篤」(やすおかまさひろ)という人物が時折登場します。

“人の道”や”国家の指導者のあり方”を説いた思想家で、稲盛塾長の人生哲学にも多大なる影響を及ぼしたといわれる人物であります。
その安岡正篤さんの言葉の中に、『憂いが人物を作る』というものがあります。
安岡さんは、次のように述べられています。
               
「人間は憂(うれ)えなければ人物ができない。何の心配もなく平々凡々と幸福に暮らしたのでは、優という文字の真義からくる「優秀」とはいい難い。憂患を体験し、悩み抜いてきて初めて、人物も余裕もできてくる。」
                 
私は、何一つ「憂えること」のない人など、個人、法人に関わらず存在しないと思っています。ましてや、現在はこうした厳しい不況下にありますから尚更ではないでしょうか。
上記の言葉は、私を含め、そんな人々にとって実に有り難い言葉であります。