現成公案(げんじょうこうあん)

2011.10.22
    

「現成公案」。これは私も最近知った言葉で、曹洞宗の開祖である道元が残したものだそうです。 とてもいい言葉だと思いますので、今日はこの言葉をご紹介させて頂きます。 

道元は13歳で出家し、23歳で真の仏教を求めて宋へ渡りました。
道元はそこで、鶴のように痩せた70歳近いお寺の料理番が椎茸を干しているところを目にします。
「お年を召してそんなことをする必要はありません。若い者にやらせてはどうですか」
そう尋ねた道元に、料理番の老人は答えました。
「これが私の修行です」 と。
 
そして、道元は気づくのです。
それまでの悟りとは、座禅を通じて得られるものだと思っていたが、それは違った。
毎日繰り返す仕事の中にこそ、本当の悟りがあるのだと・・・。
 
目の前にある現実の事柄に、毎日まじめに一生懸命取り組んでいけば、「公案」、つまり人生最大の目的は達せられる。
 
私たちが取り組む日々の仕事の中には、とても地味で単純と思われるものもあります。
しかし、たとえどんな仕事であっても、自分に与えられた仕事に心血を注ぐ。ただひたすらに打ち込んでいく・・・。
それにより、自身の魂を磨くと言いましょうか、「心」 を高めていくことに繋がっていくのです。
「現成公案」、この言葉を念頭に置きつつ日々の業務に邁進したいものであります・・・。