今年1月に60歳(還暦)を迎えた私、あと5年で “高齢者” と言われるゾーンに突入です。
総務省によると、65歳以上の高齢者は、2040年には全体の3分の1を占めるとのこと。
日本人の平均寿命は男性が81.05歳・女性が87.09歳(2023年7月28日に発表された2022年分の平均寿命)という中で、定年後の過ごし方が問われています。
盛和塾で学ばせてもらっていた頃、稲盛和夫塾長(故人/京セラ名誉会長)は、その講話の中において、いずれ訪れる “新しい旅立ち” に備え、「魂を美しく磨き上げなさい」というふうに説かれていました。
これは今後どのように時代が変化していこうとも、私達の人生を豊かにしてくれる習慣の一つだと思います。
稲盛塾長は『人は何のために生きるのか』と題した講話を幾度となくされていますが、今日はその内容の一部を抜粋し、以下に転記をさせてもらいます。
じっくり読んでみて下さい。
〔稲盛和夫塾長〕
私は、死とは肉体の死ではあっても、魂の死ではないと思っています。
私の死というのは、私の魂が新しい旅立ちをしていくめでたい日だと思うのです。
死は悲しいことではなくて、魂が新しい旅立ちをしていく嬉しい日なのです。
魂の新しい旅立ちに際して、私の魂に新しい装いをつけ、そして明るくあの世へ旅立っていく。
そういうものにするために魂を美しく磨く必要があるのだと思った瞬間、私は、これこそが人生を生きる意味なのではないかと悟りました。
会社を成功させて有名になったり、お金持ちになったり、そんなことのために人生があるのではない。
人生を生きる意味とは、まさに自分の魂を磨くことにある。
死ぬ時に、生まれた時に持ってきた魂より少しでも美しい魂にして、新しい魂の旅立ちを迎えるためにある。
このことが人生を生きてきた価値なのではないか、また目的ではないのかと気がついたのです。
この美しい魂にするとは、分かりやすく言えば、善き思いを心に抱き、善きことを実行していくことになります。
魂を磨くためには、毎日毎日、そうありたいと思って自分が謙虚に反省し、自分自身を変えていく努力をしなければいけません。
知識として知っていただけでは、決して魂は磨けません。
美しい思いやりに満ちた素晴らしい魂にしていこうと思えば、毎日毎日、自分にそう言い聞かせながら、「きょうの自分の思い、きょうの自分の行動は、果たしておまえが言う善きことに基づいていたか」と自分自身に問い詰めながら、自分の思いと行動を毎日のように修正をしていかなくてはいけないのではないかと思うのです。 (了)
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