【渡辺の本棚】 「歴史に学ぶリーダーの研究」

2011.03.27
    

「古典と人物と歴史の研究、これを徹底しなければ人間の見識というものは磨かれない」
これは、昭和の歴代首相の指南役を務め、さらには多くの財界人からも師と仰がれた安岡正篤(やすおかまさひろ)さんが仰った言葉であります。
この安岡正篤さんは、盛和塾・稲盛和夫塾長の講話の中にも幾度となく登場しており、そんなところから、いつしか私もこの方の思想に興味を持った次第です。
私のブログにもこれまでに何度か安岡さんの言葉を引用させてもらっています。
 
安岡正篤さんが仰られた上記の言葉が頭に残っていたためでしょうか、書店で何気に手に取った一冊が、本日ご紹介させて頂きます 『歴史に学ぶリーダーの研究』(渡部昇一・致知出版社)であります。
この本では、ジュリアス・シーザー(カエサル)、東郷平八郎、本多静六、渋沢栄一、西郷隆盛、大久保利通、伊藤博文の 「生き方」 と 「問題解決法」 が紹介されています。
 
第一講の 『シーザーに学ぶ 将たる者の条件』 のところでは、全部で6つの条件が示されていますが、その一つ目には 「常に機嫌がいいこと」 が挙げられています。
シーザーは、兵隊を “叱る” ことはあっても、”怒る” ことは無かったといいます。
そして、どんな困難な状況に陥ってもいつも機嫌は上々だったとのこと。
だからこそ、シーザーは兵隊から非常に人気があったのだとか・・・。
この点は、私も大いに見習わなければなりません。
 
第三講の 『本多静六に学ぶ財を成す者の心得』 のところでは、本多静六さんが一生涯に亘って説き続けた 「仕事は一所懸命にやっていれば必ず面白くなる。それが成功への道であり、幸福への道である」 という言葉が紹介されています。
本多静六さん自身がそのように生きてこられ、一度決めたことは徹底的にやることにより、結果的に財を成したということです。
まずは、目の前に与えられたことを一生懸命にやることが大切。その先にこそ展望が開けてくるものなのでありましょう・・・。 その点を再認識させて頂いた次第であります。
 
※本多静六 : 林学博士。造園家。日本の「公園の父」といわれる人物。