三年先の稽古をする

2020.11.16
    


以前「社内報」として社員向けに発信した文章が保存されていました。

2009年2月に記していますので11年以上前のものです。

このコロナ禍にあって「大事な考え方だなぁ・・・」と思いましたので、今日はそれを若干アレンジしつつ記させてもらいます。


数年前(今からですと随分前)のことですが、新聞で、元大関の栃東(現 玉ノ井親方)が恩師である明大中野高校の相撲部監督さんを追悼して、こんなことを話しているのが記事になっていました。


「よく “三年先の稽古をしろ” と言われた。目先の勝負ではなく、将来の成長に必要なことを考えてくれた。」


その後に偶然手にした雑誌でも、九重親方(故人/元横綱・千代の富士)がインタビュー記事で似たようなことを語っていました。


「“三年後の稽古” って言葉があるんだけど、今日、明日とか一週間ぐらいやったってすぐには力はつかない。毎日毎日稽古することによって三年くらい経ってようやく稽古の貯金ができて、本当の相撲の力が出てくる。そういう信念をもって頑張れる子は強くなっていく。」


「石の上にも三年」という諺(ことわざ)があるように、やはり三年なんです。

三年先を考えて今トレーニングに励む。とにかく三年間頑張ってみる。

これが重要なんですね・・・。


私自身も、会社の方向性や戦略・戦術を練るとき、事務所や店舗のレイアウトを決定するときなど、何かを考えるときには「三年先」をイメージしながら判断していこうと思っています。

この厳しい経済環境下にあって、三年先にも対応可能なプランかどうかという視点から考えてみるということです。


今回のコロナ不況も、今後2年は継続するだろうと見込まれています。

その間、様々な変化が起きます。

例えば、菅総理が行政のデジタル化を推進しようとしていますし、民間企業においてもテレワークを導入、中にはそれを恒久化しようという企業も現れています。

コロナ不況が明けた「三年後」には、我々の周りの景色はガラッと変わっているかも知れません。


仮にそうなっても、その変化に耐え得るプランかどうか?

また、環境や客観情勢が変化するだけでなく、自分自身の能力・意欲・体力などの変化もあるでしょう。

三年先にも面白く意欲的に仕事に取り組めているか?

そんな余裕のある豊かなプランになっているかどうか?

その辺りをシッカリ見つめ、プラン設定することが肝要です。


しかしながら、先のことばかりを考えていると、今度は足元が見えなくなりがちです。

前九重親方(元 千代の富士)は更にこんなことも語っています。


「とにかく今、現状を頑張れなければまず無理。若い子は毎日、がむしゃらに目いっぱい!」


つまり、「いま本気にならないことには三年先はない」ということ。

当然のことですが、三年先のことまで考えると同時に、そのためにも、今ここでやるべきことをがむしゃらに目一杯やり抜かなくてはならないのです。


神様は、コツコツ頑張っている人を見捨てたりはしません。

キーワードは「三年」。

三年諦めなければ必ず成果を得られるはず。

そう信じて精進を重ねていこうではありませんか!!



本日用いた写真は、私のスマートフォンに保存されていた物。

昨年か一昨年の「大相撲名古屋場所」中入り後取組。

手前は、昨日(15日)に現役引退を発表した元大関の琴奨菊で、向こう側は新大関の正代。二人とも私の贔屓力士です。

残念ながら正代も3日目の髙安戦で怪我をし、途中休場となりました。

怪我をしっかり治して、また来場所、あの力強い相撲を見せて欲しいです。