雑音には耳を傾けない

2011.10.14
    

プロ野球「セ・リーグ」のペナントレースも大詰めですね・・・。 首位攻防の[中日VS東京ヤクルト]は、中日の4連勝。マジックも2となり、ほぼ”優勝”を手中に収めたような感じです。
中日ドラゴンズが連覇するのは、球団創設以来初めての快挙でもあります。今期限りで退任する落合監督にとっても”有終の美”となりそうです。
逆に、阪神の真弓監督、クライマックスシリーズへの進出(3位)を逃せば、”解任”が通達されたようです。 プロ野球の世界は、やはり厳しいですね・・・。 
 
さて、「阪神タイガース」で思い出した話がありますので、今日はそのネタで行かせてもらいます。 
以前にこのブログの中でご紹介させて頂いた『野村の実践「論語」』(小学館)の中に記してあったことであります。
野村克也氏が阪神タイガースの監督を退任したあと、あるパーティーで「私は阪神のタニマチをしていました」という人に会ったのだそうです。(”タニマチ”とは、「ひいきにしてくれる客、後援者、無償スポンサー」のことをいいます・・・)
「そうですか、その節はお世話になりました」 と野村氏が言ったところ、次のような言葉が返ってきたのです。
 
「こう言っては失礼なんですが、野村さんが監督のときも “ああ、阪神は優勝できないな” と思いました。なぜかと言えば、選手同士の会話が普通じゃない。”お前は監督に嫌われている”だとか、”あいつは監督に好かれている”だとか、そんな話ばっかりしていました。選手が監督に好かれているとか嫌われているとか、そんな次元の話をしているようじゃ、野村さんが監督になっても勝てないと思いましたよ・・・」
 
この人は良識がある人物だったため嫌悪感を抱いたのでしょうが、たいていのタニマチは選手を諭すどころか、逆に、けしかけているほうが多かったようです。
 
「あの監督は野球を全然わかっとらん。ちゃんと見ていれば、お前を使わないわけがない」だとか、「あんな監督、どうせすぐにいなくなるんだから、二軍に落とされてもちょっとの辛抱だ」とか、「いうことを聞いても、どうせすぐにクビになっていなくなる監督だぞ」だとか・・・、一緒になって監督の”悪口”を言うタニマチがついてまわっていたのだそうです。
そうしたタニマチの言うことを真に受ける。 また、人気球団であるがためにファンの温かさを自分勝手に解釈することによって、阪神という球団はおかしくなっていったようなのです。
そんな状況では、いくら選手に一生懸命「犠牲心」や「チーム主義」といった”フィロソフィ”を説いたところで、全くの無意味だったようであります。
 
こうしたことは、決してプロ野球の世界に限ったことではないわけです。
一般社会においても言えることなのです。
例えば、自分の会社の社長や上司の”悪口”を言う者は、周りに必ずいるわけです。
でも、そんな人間たちと付き合ってもろくなことはないのです。 「類友の法則」で、自分自身の心も腐っていくことになるのです。
 
まずは、自分の会社と同僚(仲間)を大切にする・・・。
甘えを捨て、自分を律し、自分に徹底的に厳しくする・・・。
周りの雑音に耳を傾けることなく、ただ黙々とやるべきことをやり続ける・・・・。
そうした姿勢が肝心です。
“神様”はいます。 そして、自分のことを必ず見ていてくれるのです。
仮に、「報われない」と感じるのであれば、それは、自分の人間性が未熟であったり、努力が足りないということでありましょう。
とにもかくにも “精進”あるのみ です!!