【渡辺の本棚】 野村の実践「論語」

2011.06.26
    

本日ご紹介させて頂きますのは、『野村の実践「論語」』 (野村克也著・小学館)。
2500年前に中国の思想家である孔子が、その弟子たちに語りかけた言葉を集めた「論語」・・・。 その全てが私たちの日常生活に根付いた教え、”人生訓” のようなものであります。
その「論語」の内容と、数々の名言を残している野村克也氏の教えとの間には相通じるところが多分にあり、それを並行解説したものが本書であります。
 
野村氏は、長い監督生活を送っていく中で 『人生』 という二文字から次の四つの言葉を連想するようになったと述べておられます。
 
「人として生まれる」 (運命)
「人として生きる」 (責任と使命)
「人を生かす」 (仕事、チーム力)
「人を生む」 (繁栄、育成、継続)
 
この内、最初の 「人として生まれる」(運命) 以外の3項目については、組織(チーム)の先頭に立つリーダーが、指導することで部下たちに気づかせることができ、涵養していけるものだと野村氏。
本書には、組織をつくる上での心構え、個人が組織の中で成長していくためにはどうのように思考・行動したらよいかといったところのヒントが満載です。
 
「野球に限らず、どんな組織でも、二年三年のビジョンで考えれば、少しずつでも変えていくことができる。人間はみな人生を生き抜く使命をもって存在していることを一人一人に認識させなければならない」 という野村氏の言葉に勇気を貰った私・・・。
自分自身は勿論のこと、当社で働く社員一人ひとりが確固たる使命を抱き、”人間性” を磨いて成長していって欲しい、私自身がその一助となりたい、そんな思いを更に強くさせてくれた一冊、個人的にはメッチャ勉強になった一冊であります。