営業会社によくある考え方で、「インセンティブを強くして、その代わり成績の悪い社員には辞めてもらう」 というものがあります。
『2・6・2の法則』 の下の2割、いうならば、出来の悪い社員には即刻辞めてもらう。 常にここのゾーンの社員を入れ替えることこそ “経営の王道” だと言い切る経営者もいます。
でも、果たしてそうでしょうか・・・?
売れない人には辞めてもらうという社風は、チームワークや協力し合う風土に悪影響を及ぼし、営業マンは “自分の売上をあげることだけ” を考える危険があると思います。
更には、本来会社の財産でもある顧客(情報)を自分で囲い込んでしまう危険性や部下や後輩を指導しなくなる可能性も大いにあると思います。
ですから、私はそういった短絡的な発想は持ちたくありません。
何かのふとしたキッカケで成績があがることだってありますし、もし本当に営業職に向いていないとしても、他の分野で周りを凌駕するような能力を発揮する社員だっているかもしれません。
根本的に労働意欲のないような人物では困りますが、まがりなりにも採用面接で合格させたわけですから会社にも非があると考えますし、当社においてはそんな社員はいないと信じています。 万が一、そんな人物がいたとしても、そういう人物は会社に居づらいような前向きな企業風土(そういう人は自ずと去っていくような企業風土)を作ってしまえばいいのだと思っています。
企業の人材に対する考え方は、「お城の石垣」 に例えて話すとシックリきます。
お城を支える石垣は、大きな石だけでは築くことができません。小さな石も大切な役割を果たしています。 たとえ小さな石であっても、据えられた場所において働いていれば石垣の一部として力を発揮して支えます。大きな石と小さな石が、それぞれ石垣全体の一部分として緊張感をもってバランスを保つことで、石垣自体が強く頑丈なものとなっていくものなのです。
一部の経営者諸氏からは、「何を甘っちょろい・・・」 という声が聞こえてきそうですが、私は今後もこうしたスタンスで臨んで行こうと思っています。
ただし、「平等」 と 「公平」 の使い分けだけはシッカリとしていかねばなりません・・・。
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