盛和塾第19回世界大会

2011.07.07
    

一昨日(5日) および 昨日(6日)は、『盛和塾第19回世界大会』 が開催されました。
昨年までは 「全国大会」 と呼称されていたこの大会ですが、日本のみならず海外にも多数の塾が開塾されたため、今回から “世界大会” と呼ばれるようになりました。
会場となった 「パシフィコ横浜」 には3,400名を超える塾生が集結、”世界大会” ならではの活気に満ち溢れていました。
 
私の場合、5日(火)については東京において開催された 「全国賃貸管理ビジネス協会」(通称:全管協) の会合と重なったため、それに出席し、職責を全うした上で 『全国大会』 へと向かいました。
この日は「懇親会」からの参加となりましたが、同宿をとった塾生仲間たちと一緒にお風呂に入り、「二次会」を行ないました。
名古屋塾の深見さんの紹介でこの日に知り合い、隣同士で露天風呂に入り、一緒にお酒を飲んで語り合った福岡塾の石川さんは、たまたま当日の朝に私が 「ツイッター」 でフォローをさせて頂いた方だったのです。
翌朝、石川さんからそれを知らされ驚きました。 まさに、”よっぽどの縁” であります・・・。
 

さて、この大会では8名の塾生による 「経営体験発表」 と、それに対する稲盛和夫塾長によるコメント、そして、「稲盛経営者賞表彰式」・「経営体験発表者表彰式」、最後に稲盛塾長による 「講話」 が行なわれました。 この構成については例年通りであります。
 
塾生諸氏の発表からは大きな感動と刺激を頂いたわけですが、今日は、勇気と確信を頂いた 「塾長講話」 の内容に絞って記させてもらおうと思います。
現在、ご老体(稲盛塾長は79歳でいらっしゃいます)に鞭打ち、JALの再建に心血を注がれている稲盛塾長ですが、JALの再建に携えていったものは 「フィロソフィ」(経営哲学) と 「アメーバ経営」 の二本だと断言されました。
ちなみに、倒産後1年を経過したJALの決算は、売上: 1兆3,622億円 ・営業利益: 1,884億円でJAL史上最高の数字を記録したとのこと、なお、この数字は全国航空会社の中でも最高の実績となったようです。 凄いですよね・・・・。
 
その改善の基となったのが 「フィロソフィ」 だったと稲盛塾長は仰っておられます。
フィロソフィーには大切な4つの要素があり、それは次の通りであります。
 ①会社の規範となるべき規則、約束事
 ②企業が目指すべき目的、目標を達成するために必要な考え方
 ③企業に素晴らしい社格を与える考え方
 ④より良い人生を送るための人生の真理
 
  
さて、今回の講話でのテーマは「困難に打ち勝つための考え方」についてでありました。
まず、大切なのが 『正道を貫き通すこと』。
相手に迎合・妥協するような情けない生き方をしてはいけない。 組織の中において、”正道を貫き通す” そんな真の勇気をもった人物が一人でもいれば、職場で不正などは起こらないものだと仰いました。
策を弄(ろう)しないということが、企業経営には大事で、これは企業経営のみならず国家運営(政治)についても言えることだというふうに説かれました。
「人間にとって何が正しいか」という観点から徹底的に議論をしていくこと、そんな勇気が今一番我々に求められているのでありましょう・・・。
 
そして、『困難に真正面から取り組むこと』。
切迫感を持って正攻法で臨むことが大事で、どんなに辛くとも歯をくいしばり、懸命に努力を重ねていけば、さも神様が与えてくれたかのようなヒントが与えられるものだと仰いました。
 
また、『垂直登攀(すいちょくとうはん)すること』の重要性も説かれました。
高い目標を目指すなら、正しいと思う道を真っ直ぐに突き進むべきだと仰いました。 垂直に切り立つ崖に対し、決して迂回することなく、真っ直ぐに登っていくべきだとのことです。
垂直登攀するためには、「想い」が重要で、物事は想いが強ければ強いほど実現していくものだということを、京セラ ならびに 今回のJALの再建にあたって塾長が用いられたスローガンを示しながら説かれました。 そのスローガンとは、次のようなものです。
「新しき計画の成就は、只不屈不撓の一心にあり、さらばひたむきに只想え。気高く強く一筋に」
ただし、その「想い」というものは、”世のため”・”人のため” になるような美しく、けがれの無いものでなくてはならないということは言うまでもありません。
塾長は、「強く純粋な想いを持ち続けることが事業を成功させることの要諦」だと言い切られました。 それだけ「想い」というものは大切なのです。
 
そして、絶対に『壁を突破する』という強い気持ちが大事だということも語られました。
「どうだろう・・・?」と思って事に臨むのと、「絶対できる!」と思って臨むのとでは結果は全く変わってくる。 自分の無限の可能性を信じられる人だけが壁を突破できるもので、心の中に「必ずできる」という信念があればこそ、”真の努力” ができるのではないかと仰いました。
 
同時に、『知識を見識にまで高め、見識を胆識にまで高めること』を忘れてはならないとも仰いました。
知識がいくらあっても、”人間” が出来ていなければ、単なる”物知り”に過ぎません。 
「知識」を信念にまで高めていくと、それが「見識」へと変わっていく。 更に、物事は実行されて初めて成就するもので、「何としても実行していこう」という勇気が必要であると説かれました。
経営目標を達成するために必要なのが「強い意志」、つまり、「胆識」であるというわけです。
 
「売上が上がらないとか、採算が合わないというのは経営者に強い意志(闘魂)が足りないからだ!」 という言葉は心に響きました。
「岩をも穿(うが)つ強い意志」 と 「燃える闘魂」 を今一度自分自身の中に叩き込み、経営にあたっていこうと思います。
 
この二日間、実に有意義な時間を過ごさせて頂いたことに心より感謝です。
「道徳の無い経済は犯罪に近い。経済の無い道徳は寝言」という二宮尊徳の言葉を常に念頭に置きながら、盛和塾生として恥ずかしくない経営をして参りたいと思います。
  
※上の大きい写真は、「懇親会」での一コマ。盛和塾名物”盛和塾数え歌”です。鹿児島塾および宮崎塾の皆さんによって毎年行なわれています。稲盛塾長も壇上に上がり、拳を突き上げられました。
※小さい方の写真は、選抜された塾生による「経営体験発表」の様子です。写真は、石川塾の本昌康塾生(株式会社ぶどうの木 代表取締役)による発表風景です。