営業会社によくある考え方で、「インセンティブを強くして、その代わり成績の悪い社員には辞めてもらう」というものがあります。
『2・6・2の法則』の下の2割、いうならば、出来の悪い社員には辞めてもらう。常にここのゾーンの社員を入れ替えることこそが経営の王道だと言い切る経営者も中にはいます。
でも、果たしてそうでしょうか?
売れない人には辞めてもらうという社風は、チームワークや協力し合う風土に悪影響を及ぼし、営業マンは自分の売上をあげることだけを考えるようになる危険があると思います。
更には、本来会社の財産でもある顧客を自分で囲い込んでしまう危険性や部下や後輩を指導しなくなる可能性も大いにあると思います。
ですから、私はそういった短絡的な発想は持ちたくありません。
何かのちょっとしたキッカケで成績があがることだってありますし、もし本当に営業職に向いていないとしても、他の分野で他を凌駕するような能力を発揮する社員だっているかもしれません。
そもそも根本的に労働意欲のないような人物では困りますが、まがりなりにも採用面接で合格させたわけですから会社にも非があると考えます。実際、当社においてはそんな社員はいないと信じています。
万が一そんな人物がいたとしても、そういう人物は会社に居づらいような前向きな企業風土(そういう人は自然と去っていくような企業風土)を作ってしまえばいいのだと思っています。
企業の人材に対する考え方は、『お城の石垣』に例えて話すとシックリきます。
お城を支える石垣は、大きな石だけでは築くことができません。小さな石も大切な役割を果たしています。たとえ小さな石であっても、据えられた場所において働いていれば石垣の一部として力を発揮して支えます。大きな石と小さな石が、それぞれ石垣全体の一部分として緊張感をもってバランスを保つことで、石垣自体が強く頑丈なものとなっていくというものなのです。
一部の経営者諸氏からは「なんと甘っちょろい・・・」といった声が聞こえてきそうですが、私は今後もこうしたスタンスで臨んで行こうと思っています。
写真は、9月10日に(公社)全日本不動産協会愛知県本部の支部研修旅行で訪れた『熊本城』です。急勾配で攻めづらい石垣などから “難攻不落No,1” の城だと言われています。
斜め正面のアングルから撮ったカッコいい写真もありますが、今日はテーマが「石垣」ですので、石垣を強調できる裏側の写真をアイキャッチ画像として掲載させていただきました。
なお、熊本城の “復旧工事” にはまだまだ相当の年月が掛かるようです。
「天守閣」については復旧しましたが、大地震発生から6年以上が経過した今も敷地内あちらこちらで地震の爪痕が見られます。
写真↓の「数寄屋丸二階御広間」などは石垣の崩落も酷く、ここの復旧完了予定は2032年(令和14年)となっているようです。
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