【渡辺の本棚】 「小さな会社がNo,1になれる コア・ブランド戦略」

2010.08.19
    

最近の私は、「ブランド戦略」 に関する本をよく手にします。
企業も個人も、これからの厳しい時代を生き延びてゆくには 「ブランド」 というものが、極めて
重要であると考えているからです。
つい最近も、私自身の 「パーソナル・ブランド」 を高めるための手法を説いた本を読み終えたばか
りでもあります。
私は、[社長=企業の広告塔] であるという認識を持っていますので、そういう意味でも自身の
“ブランド力” を高めていく必要があると考えています。
 
今日は、その 「パーソナルブランド」 の本ではなく、半月ほど前に読み終えた別の一冊、
「小さな会社がNo,1になれる コア・ブランド戦略」(加藤洋一 著・PHP研究所) をご紹介させ
て頂きます。
 
私たちが生きていく上では “お金” が必要ではありますが、決して 「お金を稼ぐ=成功」 という
ことではありません。
お金儲けを軸にして全てを考えてしまうと、本当に大切な何かを忘れてしまうことにもなります。
 
“自身の在り方” が社会から感謝され、周りの人たちへの豊かさに繋がり、その結果が自分自身
の豊かさともなる。
そんな “在り方” を、一生かけて追求していくのが 「仕事」。
「仕事」 は、人類が考え出した 「究極の自己実現システム」 だといえるわけです。
 
その対価として戴けるのが “お金” であるはずなのに、「お金ありき」 で物事を考えてしまうと、
『目的』 と 『手段』 が逆転してしまいます。 あくまで “自分の在り方” が 『目的』 であって、
“お金” は 『手段』 であるべきなのです。
 
「お客様に感謝される」、「社会に感謝される」、「社員に感謝される」、「家族に感謝される」、
その結果として 「自分自身に感謝できる」 ことになるのです。
そうなることで、内面から充実した “本当の成功” があるわけなのです。
 
そのためには、”自身の在り方” と “社会” の調和が必要となり、それを実現するための重要な
考えが 『コア』 というものです。
『コア』 とは、「核」 という意味ですが、自分と関わる全ての人に感謝され、尊敬と信頼を受ける
「人格」 のことをいいます。
言い換えれば、これまで社会で積み上げてきた “自身の価値観” こそが 『コア』 であるといえる
のです。
 
小さな会社であればあるほど、社長の影響力は大きいもの。
ですから、社長自身の 『コア』 が、しっかりすればするほど、社員や取引先、関わるすべての
人たちの内面が変わり、ビジネスとしても成功していくものだということを述べています。
 
その具体的な事例を含めて解説を施したのが本書。
普段 「盛和塾」 で教わっている内容とも相まって、個人的には心にストンと落ちる説得力のある
一冊でありました。
会社経営に携わる方は、読んでみられることをお薦めいたします。