2022年12月末、全国の生産緑地の約9割が「特定生産緑地」に指定

2023.09.03
    

「生産緑地」とは、市街化区域の農地で、一定の条件を満たす農地

(500㎡以上の一団の農地や公共施設等の敷地として適する、

農林業の継続が可能など)を市町村が指定し、農業を継続する

ことを条件に、固定資産税が農地課税(生産緑地以外は宅地並み

課税)に優遇したり、相続税の納税猶予制度が適用される制度です。

 生産緑地は30年間指定されますが、解除後は市町村に買取りを

申出することができます。市町村が買取りに応じられない場合、

生産緑地の指定を解除し、普通に売買が出来るようになるわけです。

 1991年に生産緑地法の改正を受けて、市街化区域の土地所有者が

「生産緑地」の指定を受けたため、期限となる30年後の2022年に

大量の生産緑地が指定を解除され、市場に一斉に供給されることで、

土地価格の値下がりが起こるのではと問題になった「2022年問題」

でしたが、以前のコラムでもお話ししたように、2017年に法改正が

行われ、そのまま農業を希望される場合10年の延長が可能になりました。

 これが「特定生産緑地」となります。1992年に定められた

生産緑地9,273haのうち、89.3%にあたる8,282haが「特定生産緑地」

に指定されました。

 指定された所有者は相続等が発生し、農業が継続できなくなる

場合を除き、生産緑地の税制優遇が10年間受けられる事になります。

 指定されなかった生産緑地991haについては、いつでも買取り申出が

出来るようになりますが、税制優遇が得られなくなり、固定資産税等は

宅地並み課税となります。

 「2022年問題」の時よりは、約10分の1にはなりますが、

市場に供給されそうです。