間取り図を見てみると、部屋にある押入やシューズボックスの位置に、潜在的に活用できそうな収納スペースがあります。この記事では、洋室の押入と玄関のシューズボックスを部位ごとに考えた収納計画で効率的に変えていく方法に焦点を当てます。
玄関は訪れる人に最初に見られる場所で、収納はコンパクトでありながら効果的に使う必要があります。また、押入をオープン収納にリノベーションすることで、物を使いやすく機能的にしまえるだけでなく、お気に入りの雑貨を飾る場所としても活用できます。床から天井までの壁面収納や可動式の棚板は、空間を最大限に活用する秘訣です。
ここでは、部位ごとの収納計画を通じて、家の中の収納を効果的に変え、快適な空間を実現するリノベーション実例をあげながら紹介しています。リノベーション計画を練る前に、ぜひ参考にしてみてください。
▶部位ごとの収納計画と間取り変更、水回り4点セット交換が今回のプランニングになります。
現地調査した際に気になったのが、玄関ちかくの廊下の壁下部にあるシューズボックスの位置と大きさです。間取り図を見てみると分かりますが、この空間と隣の洋室の押入れの使いにくさを解消することが、お部屋の雰囲気を変える一番良い方法だと思いました。
水回り等の設備交換は経年劣化によるもので、新調することにより耐久性を保ちながら入居率アップを目指します。
・エリア 一宮市
・物件種別 賃貸マンション
・築年数 築39年
・構造 鉄筋コンクリート造
・間取り 3LDK → 2LDK
上記の図1はリノベーション前の間取り図です。洋室に押入があり、小さなシューズボックス(SB)が玄関ちかくの廊下壁の下部にある状態でした。
部位ごとの収納計画を考えた場合、これを下の図2のように、まずはシューズボックスを緑色のあたりに造作し、洋室の押入はオープン収納にリノベーションしていくというのが今回のポイントとなります。
玄関のシューズボックスは写真の赤枠部分のように、廊下壁の下部に小さくスペースが設けてあるだけでした。壁の向こう側の洋室にある押入をオープン収納にリノベーションするため、まずは既存の赤枠の位置から緑枠の位置へシューズボックスの位置を変更し、新規で可動式の収納棚を造作していきます。
棚は入るものによって高さを自由に調節できる可動式で。
限られた空間を最大限活用するには、床から天井までの壁面収納が効果的。靴の収納棚は、ムダな空間をつくらず高密度に収めるために、可動式の棚板にします。
押入を壁面いっぱいのオープン収納にリノベーションします。「みせる収納」にすることでかえってすっきり仕上げることができ、インテリアとしても楽しめる空間になります。
物を使いやすく機能的にしまえる収納も欲しいけれど、お気に入りの雑貨を飾ることができるスペースも欲しい。それなら、見せる収納を検討してみては。
押入をクローゼットに変更することのメリットは収納効率のアップです。部屋のスペースを最大限に活用できるため、部屋全体を広く使えるようになるわけです。ハンガーバーや棚を設置することにより、必要な物をすぐに取り出すことができ、使い勝手も向上します。
使用頻度の低いアイテムを収納場所から取り除き、必要なものだけを保管するようにします。季節ごとに服やアクセサリーを整理したり、不要なものを定期的に処分することで、スペースを有効活用できます。
マンションの収納スペース(クローゼット、オープン棚など)を最大限に活用します。収納ボックスや引き出し式の収納ユニットを導入することで、スペースを効果的に使えます。
マンションの天井近くのスペースを有効活用することで、床面積を広く使えます。限られた空間を最大限活用するには、床から天井までの壁面収納が効果的です。
3DKから2LDKに間取り変更します。
個室の数を減らして、今後の入居者ニーズの変化に対応できるフレキシブルな間取りに。
意匠性や機能性に優れたシステムキッチンは、「出し入れしやすい」「掃除がしやすい」など、使い勝手の良さが魅力。また、入居希望者がお部屋を内見する際の印象アップにつながる重要な設備の一つでもあります。ファミリータイプのお部屋ではさらにその傾向は高まるでしょう。
とはいえその取り替えには、賃料等とのコストバランスを考えて検討する必要があります。
家族が毎日使うトイレや洗面は、小さなスペースでも使いやすくしたいものです。
今回は、壁紙の交換、便器とトイレタンク、扉の交換も行います。
とくに扉に関しては、床面や各部屋全体のトーンに合わせた色を選び、調和を保つのがポイントです。
アクセントクロスは、木立ちの枝のシルエットがパールで光る大胆なパターン。上質で落ち着いた空間にします。サイドの壁紙は立体感のある塗り跡が特徴の石目調です。厚みがあり、リフォームにもおすすめです。
シャンプードレッサーの新調は費用対効果が高いのでおすすめです。洗面所は、他の水回りの交換と比較するとコストが一番かかりません。水回りの交換は入居者にとって強いアピールポイントになりますので、ぜひ新調を検討して欲しい設備の一つです。
室内洗濯機置場は長く滞在する場所ではないので、思いっきり遊べるスペース。壁や床には大胆な色柄を取り入れるのもありです。正面にはリアルなテスクチャーのグレーの石目調のアクセントクロスを。左右には立体感のある塗り跡が特徴の石目調の壁紙でモダンな空間を演出します。厚みがあり、リフォームにもおすすめな壁紙です。床には個性を求めて石目柄のクッションフロアを選び、シャープな印象を出してみました。
ユニットバスを古いのもから新しいものに交換します。写真のユニットバスは、コンパクトバスルームがコンセプト。小さくても広く使える、ゆったり感じるデザインです。浴槽のエプロン形状にも一工夫あり、ひと拭きでお掃除しやすいラウンド形状で、点検口にはボトル3本分の収納スペース付き。浴室スペースをフル活用できるサイズのものを設置します。
賃貸マンションのリノベーションプランを考える前に、まず最初に現地を調査を行います。その際、第一印象で気になった点が収納でした。とくに玄関から入ってすぐの、壁下にあるシューズボックスの収納部分です。さらに隣の洋室の押入(洋室ですが、クローゼットではなく押入です)との関係で、配置のバランスが悪い印象を受けました。
今回のリノベーションでは、水回り4点セットの交換(浴室・キッチン・洗面・トイレ)を中心に施工する予定ですが、収納問題を解決する計画も追加でご提案しました。
リノベーション完成後はとてもスッキリした印象に変わり、その後の入居募集もスムーズに行われました。
一般に賃貸マンションやアパートの玄関は、狭い・暗い・収納が足りないという課題を抱えています。
そこで、玄関スペースにゆとりを持たせ、たたきに面した部分には可動棚等を設置し、使い勝手と第一印象を良くしました。
結果的にこれがリーシングにおいて好結果をもたらしました。
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