建築において、「スケルトン」とは建物の骨組みや基本的な構造部分を指します。スケルトンは、建物の安定性や耐久性を提供し、建物全体の形状を形成する重要な要素です。
▶予算配分を上手に組み立ててスケルトンリノベーションをプランニングします。
間取りを計画する前にまず、現地での事前調査をしっかり行わなければなりません。マンションやアパートの多くは時代性や建設会社の効率が反映されたいわゆる『よくある間取り』が存在しているため、まずは現況から物件の特徴を探ってリノベプランに反映させなければならないからです。
今回の現場はマンションの構造がラーメン構造なので、木造や軽量鉄骨下地の間仕切り壁は、ほぼ撤去できる状態でした。
・エリア 名古屋市中川区
・物件種別 賃貸マンション
・築年数 築27年
・構造 鉄骨造
・間取り 3LDK → 2LDK
スケルトンリノベーションとは、建物の内部における大規模な改修や再構築のことを指します。具体的には、建物の「骨組み(スケルトン)」にあたる基本的な構造や設備を残しつつ、内部の間取りや仕上げ材を一新することで、新しい空間を創造するリノベーションの手法です。
スケルトンリノベーションは、新築に比べてコストを抑えられることや、築年数の古い建物特有の雰囲気を生かすことができるという利点があります。ただし、古い建物の場合、耐震性や経年劣化による問題がある場合もあるため、注意深い計画と専門家のアドバイスが必要です。
スケルトンリノベーションは、建物の骨組みや基本的な構造を活かすため、新築に比べて建築コストが削減される傾向があります。既存の骨組みを活用することで、新しく建てる場合よりも低い費用で魅力的な住空間を作り上げることができるわけです。
新築の場合は建物をゼロから建てる必要があるため、どうしても工期が長くなってしまうのが一般的です。しかし、スケルトンリノベーションでは既存の骨組みを利用するため、工期を短縮できる場合があります。これは賃貸物件として早く入居させたいオーナーにとって魅力的な点です。
スケルトンリノベーションは、建物の再利用により廃棄物の削減に寄与します。新築では解体する既存建物から大量の廃材が発生するのに対し、スケルトンリノベーションでは廃材の発生を抑えることができます。これにより、環境への負荷を低減することができます。
スケルトンリノベーションは、歴史的な建物や独自の特徴を持つ建物など、既存の魅力を活かしながら現代的な空間にアップデートすることができます。これにより、建物の持つ独自性や価値を保ちながら、快適な生活空間を提供できます。
スケルトンリノベーションでは、内部のレイアウトや設備を自由に決定できるため、自分の好みやニーズに合わせたカスタマイズが可能です。これにより、理想の賃貸物件を実現しやすくなります。
スケルトンリフォームで思い通りの間取りに変更。よくある間取りの3LDKから2LDKに変更します。
個室の数を減らして、今後の入居者ニーズの変化に対応できるフレキシブルな間取りに。
キッチンは配管工事が必要な設備が多いので、位置移動の距離が短いほうがコストを節約できます。
また、移動距離が短ければ排水管の勾配をつけるために、床を高くする(天井が低く感じられる)デメリットも抑えられます。
リノベーションのタイミングで変えておきたい内装は、どうしても工事が大がかりになってしまう床材です。最近では質感のいい無垢材のフローリングが人気です。
良質な材を使うのであれば素直に材の良さを引き立てる定尺張りがベスト。
A.フローリング材を使用する場合、空間の長手方向に対して縦に張るのがセオリーです。ただし、家具などと方向性を揃える場合はこの限りではありません。写真のフローリングは、材の良さを引き立てる定尺張りで施工しています。
A.ウォールナット、ナラ、チェリー、オークなどのハードウッドは、空間を引き締めてくれます。光の調子、天井や壁、空間を構成する建材などの総合的なバランスから床材を選びます。伸縮の少ないハードウッドのほうが季節の変化にも対応しやすいのが特徴です。
最近は個室のクローゼットを充実させるよりも、ウォークインクローゼット(WIC)を設けるのが人気です。今回のリノベーションでは、小さな部屋のようになっていて、各洋室とも直接つながるウォークスルータイプ(2Way)をプランしました。風通しもいいとか。
不足しがちな収納スペース。限られたスペースだからこそ隠す収納と、個性の演出を兼ねた見せる収納を上手に組み合わせたい。
ウォークインクローゼットは衣類のほかにスーツケースや扇風機、暖房器具などの季節ものも一緒に入れられる、納戸のような役割です。
マンションの場合、大規模なスケルトンリフォームでも大幅な位置移動が難しいのがトイレ。
なぜなら排水管がほかの管よりも太いので、その配管からあまり離すことができないからです。
さらには便器とつなげる排水口も、床面についている場合と、壁についている場合があり、後者の場合はその方向も変えられないので、間取りをプランニングする際に確認をしておく必要があります。
シックなインテリアにおすすめな石目調の壁紙。グレーカラーはモダンで落ち着きのある空間を演出します。サニタリー収納の可動棚や床のカラーと共存させ、深みのある上質でシックな仕上げにします。
マンションの洗面室は窓がないケースが多く、どうしても湿気がこもりがち。
基本的に換気扇は必須です。
もし換気扇がついていなければ、浴室やトイレの換気扇とセットにして、2室換気、3室換気という方法も可能です。リノベーションのタイミングで設置を検討してみましょう。
築年数の古い物件ですとこのようなニップルが付いていないことが多く、引越しのときに洗濯機を設置する際、トラブルになるケースもあります。
古いユニットバスから新しいものに変える場合、もともとのサイズより大きなユニットを採用できたというケースがあります。これは、ユニットバスのサイズバリエーションが以前に比べて増えたため。浴室が10cm広くなると、体感的にはかなりゆとりを感じられるものです。
今回はスケルトンリノベーションであったため、1416サイズが設置できました。
棚は入るものによって高さを自由に調節できる可動棚に。
廊下の壁には、帽子やバッグなどが掛けられるおしゃれなフックを。
フルリノベーションのポイントは、現地での綿密な事前調査が重要です。排水管やダクトの位置によっては、計画した間取りそのものを変更せざるを得ないというケースも出てきます。
また、築が古い建物の場合、水道管が細くて水圧が低く、最新型のトイレが設置できないなんてケースもあります。当然予算ありきでプランを作成しますので、ムダをなくしコストダウンをはかることが要求されるわけです。
スケルトンにする前の間取りは、長い廊下の片側に個室が並ぶおなじみの間取りでした。時代性や建設会社の効率が反映された『よくある間取り』です。まずはこの物件の特徴を把握してリノベプランに活かすことが重要だと考えました。
賃貸マンションやアパートの間取りでよくみるのが、この『長方形タイプ』の間取りです。廊下から各個室に入れるため、家族間のプライバシーを守りやすいメリットはあります。
一方で、共用廊下側の部屋が暗い、個室の風通しが悪いなどのデメリットがあります。
このため、個室と個室の間に『ウォークインクローゼット』(今回はウォークスルータイプ)を配置して風通しを改善。
また、この『ウォークインクローゼット』を設置したことで収納の課題を解決することもできました。
じつは収納に関する課題はもう1箇所あります。それは玄関スペースにおける収納です。
一般に賃貸マンションやアパートの玄関は、狭い・暗い・収納が足りないという課題を抱えています。
今回のスケルトンリノベーションでは、玄関スペースにゆとりを持たせ、たたきに面した部分には可動棚、廊下にはオープン収納を設置しました。
ゲストが最初に目にする玄関はいつもすっきりさせておきたい場所ですね。
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